【獣医師監修】猫におけるタンパク質の必要性と1日の必要量について

この記事では、猫において最も重要な栄養素である「タンパク質」について、必要性や1日の必要量、猫の腎臓病との関係性について解説しています。

猫にとってのタンパク質に関する知識は「愛猫の健康を維持」するために非常に大切な事でもあるので、ぜひとも最後まで目を通していただけると幸いです。

猫にとってのタンパク質とは?

猫におけるタンパク質の重要性を理解するために、まずは猫の食性を知る必要があります。

猫は「完全」肉食動物です。

人間や犬は「雑食動物」であるため、必ずしも肉(動物性のタンパク質)を食べなくても生きていけます。しかし、猫は肉を食べなくては生きていくことが出来ません。

なぜなら猫は「完全肉食動物」であるため、炭水化物を分解する酵素の活性が弱く、炭水化物は効率的に消化吸収できないからです。

そのかわり、猫はタンパク質を分解する酵素の活性が極めて高く、タンパク質からエネルギーを生成することが可能です。

さらに、猫の体内においてタンパク質は常に分解されやすく、すぐに不足します。不足した場合は筋肉などを分解してエネルギーを生成しなければなりません。

そのため、猫は健康な体を維持するために、常に必要十分量のタンパク質を摂取する必要があるのです。

猫のタンパク質の必要量は?

では次に、猫に必要なタンパク質量を見ていきましょう。

1日あたり3〜5g/kg

猫に必要なタンパク質の量は、1日につき体重1kgあたり3〜5gです。つまり、体重が4キロの猫であれば、1日に12〜20gものタンパク質を必要とします。

特に、成長盛りの子猫や若い猫では、より多くのタンパク質が必要です。

ちなみに犬の場合は1kgあたり2g程度ですので、猫のタンパク質の必要量がいかに多いか、よく分かるかと思います。

市販のキャットフードでは必要なタンパク質が足りない

これだけのタンパク質をキャットフードから摂取するためには、キャットフードの成分を考慮しなければなりません。

例えば、ディスカウントストアで格安で販売されているようなキャットフードは、コストを削減するために穀物の割合が高く、低タンパク質・高炭水化物の栄養バランスである場合がほとんどです。

これでは、猫が本来必要なタンパク質を摂取することは絶対に出来ません。

必要量のタンパク質を摂取するためには、高タンパク質・低炭水化物のキャットフードを与える必要があるのです。

穀物不使用のキャットフードを与えるべき

市販のキャットフードは、カサ増しのために多くの穀物(とうもろこしなど)が含まれています。穀物の主成分は炭水化物です。

そのため、穀物が含まれている市販のキャットフードは、どうしても低タンパク質・高炭水化物の栄養成分に偏ってしまいます。また、穀物は猫の食物アレルギーの原因にもなります。穀物がふんだんに含まれるキャットフードは知らない間に愛猫の健康を脅かす可能性があるのです。

このような理由から、本来、猫には穀物不使用(通称グレインフリーと呼ばれます)のキャットフードを与える事が理想的です。

*キャットフードの選び方に関して、より詳しくは以下の記事で解説しています

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タンパク質と猫の腎臓病

本来猫には十分量のタンパク質が必要ですが、高齢で腎臓病の猫では、タンパク質の摂取量に注意が必要です。

タンパク質が体内で分解吸収される際、同時に「尿素」と呼ばれる物質が生成されます。健康な猫では全て体外に排出されますが、腎臓病の場合は尿素を排出しきれずに腎臓に悪影響を与えてしまいます。

猫は高齢になると腎臓病になりやすく、症状が出ていない場合でも腎機能の低下(慢性腎臓病)が進行している場合もあります。

そのため、高齢の猫(潜在的腎不全の場合)と腎不全の猫ではタンパク質量を制限する必要性があるのです。

*高齢・腎不全の猫の療法食に関しては以下の記事で解説しています。

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まとめ

このように考えると、育ち盛りの子猫や若い成猫では高タンパク質・低炭水化物のキャットフードが理想的だと言えるでしょう。

猫が高齢になり、腎機能に衰えがみえ始めた場合はタンパク質量を減らしたシニア向けのキャットフードが理想的だと言えます。

猫にとってタンパク質は最も重要な栄養素です。

愛猫のためにも各年齢に適したキャットフードを正しく選択するように、心がけましょう。

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