【獣医師監修】猫のコクシジウム症の症状と治療法・予防法について



この記事では猫のコクシジウム症の原因や症状、治療法や予防法について解説しています。

「愛猫がコクシジウム症になってしまった」「コクシジウム症の予防法が知りたい」といった飼い主さんは、ぜひとも最後まで目を通していただけると幸いです。

猫のコクシジウム症とは

猫のコクシジウム症とは、寄生虫の一種である(原虫)コクシジウムが猫の腸管に寄生(感染)することで発症する病気です。

健康な成猫の場合はコクシジウムを保有していても症状を示さないことがほとんどですが、免疫力の低い6ヶ月未満の子猫に感染した場合は寄生虫が増殖しやすく下痢などの症状が出ることが多いのが特徴です。

*原虫は他の動物に寄生する性質を持ち、さらに病原性を有している単細胞生物のこと

猫のコクシジウム症の症状

猫のコクシジウムの症状は主に子猫の下痢です。

また、重症化した場合は下痢に加えて嘔吐や血便食欲低下や脱水症状なども見られることがあります。

猫のコクシジウム症の感染原因

経口感染がメイン

猫がコクシジウム症に感染する原因は、コクシジウムに汚染された食物を口にすることにより感染する場合がほとんどです。

*猫の糞便内に見られるコクシジウム

予備知識:コクシジウムのライフサイクル

より詳しく知りたい人はコクシジウムのライフサイクルを知っておくと良いでしょう。

コクシジウムの未熟な状態はスポロシストといいます。このスポロシストは内部に胞子をもっており、さらにその内部には「スポロゾイト」と呼ばれる新しい宿主に感染する細胞を含んでいます。

汚染食物を通じて猫の体内に侵入したスポロゾイトは腸管内にたどり着き、そこで成長して「オーシスト」 と呼ばれる卵を糞中に排出します。

そしてオーシストから生まれたスポロシストに汚染された食物や水を摂取した他の動物の体内で、同じライフサイクルを繰り返して勢力を広げていきます。

猫のコクシジウム症の治療法と予防法

①駆虫薬の投薬が基本

コクシジウム症の治療は駆虫薬の投薬が基本となります。

コクシジウムに効果のあるメトロニダゾール、アンプロリウム、セクニダゾール等の駆虫薬を投与することで、猫は通常2週間以内に回復します。

重症化し下痢や嘔吐の結果として脱水症状がみられる場合は、病院で輸液なども併せて行われます。

②投薬と並行して衛生管理も重要

コクシジウムは消毒剤で死滅しません。

そのため、コクシジウムの汚染が疑われるものに対しては焼却処分や煮沸処理などが必要になります。

猫の体内のコクシジウムが投薬により死滅しても、生活環境にコクシジウムが存在していた場合は再び感染してしまいます。

投薬による治療と並行してコクシジウムに汚染している可能性のある場所を徹底的に処理することが大切です。

③母猫から子猫への感染を予防することも大事

多頭飼育など母猫が子供を産む環境の場合、コクシジウムに感染している母猫の糞便を子猫が食べてしまうのを防ぐために、母猫の妊娠前に駆虫を済ませておくことが重要です

もしも駆虫が間に合わなかった場合は、母猫の糞便を素早く片付ける、子猫が糞便に近づけないよう監視する、などの配慮が感染予防のために必要です。

まとめ

猫のコクシジウム症について、飼い主さんに知っておいて欲しい事は以上になります。

猫のコクシジウム症は糞便検査の際に見つかることが多く、成猫ではさほど大きな問題とはなりません。

しかし、幼猫や老猫では免疫力が十分では無いため激しい下痢など重症化しやすく、時には命さえも脅かすことがあります。

そうならないためにも、定期的な糞便検査や駆虫薬の投与による予防を飼い主さんが日頃から心がけることが大切です。

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書いた人

著者:サワキ ショウタロウ



動物病院勤務の獣医師(8年目)。神奈川県横浜市出身。飼い主さんがネットに氾濫する誤った情報に騙されない為にサイトを設立。獣医師による正しい知識を提供してます。多忙な毎日ですが、暇を見つけてTwitterやサイトを更新。フォロー・ブックマークしていただけると嬉しいです。

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