【獣医師監修】猫の膀胱炎の原因・症状や治療法と予防法について



この記事では猫の膀胱炎の原因・症状治療法・予防法について解説しています。

「愛猫が膀胱炎になってしまった」場合や「膀胱炎になりやすい猫の飼い主さんは参考にしていただけると幸いです。

猫の膀胱炎について

膀胱炎とは、尿を一時的にためる役割のある膀胱に炎症が起きている状態です。

猫の膀胱炎には、細菌感染による②細菌性膀胱炎ストレスやその他原因の特定できない②特発性膀胱炎の二つのタイプがあります。

以下でそれぞれのタイプの膀胱炎について説明していきます。

①猫の細菌性膀胱炎

猫の膀胱が細菌に感染した結果起こる膀胱炎です。

細菌性膀胱炎では、尿検査により尿内に多数の細菌がみられるのが特徴です。

*膀胱炎の尿を顕微鏡で見た際の画像。細菌や血液成分が確認できる

細菌性膀胱炎の原因

細菌に感染する原因は、主に尿道から侵入した細菌が尿道を通って膀胱に達し膀胱内で増殖することが原因です。

また細菌性膀胱炎が慢性化してしまった場合、膀胱の中に結晶結石が出来やすくなってしまいます。

猫の尿路結石に関してはこちら猫の尿路結石の原因と予防・治療のためのキャットフードの選び方で詳しく解説しています。

細菌性膀胱炎の症状

細菌性膀胱炎になると主に以下のような症状が出ます。

・尿が濁っている

血尿(赤っぽい尿)

尿が臭い(普段とは違う臭い)

頻尿(尿の回数が多い)

排尿姿勢は取るのにおしっこは出ない

細菌性膀胱炎の治療法

①抗生剤の投与が基本

膀胱で繁殖している細菌に効果のある抗生剤の投与が基本となります。

血尿の抑制のために止血剤を処方する場合も有りますが、根本的な治療のためには抗生剤の投与が必要になります。

②基礎疾患の治療

細菌性膀胱炎は慢性化すると膀胱内のPHを変化させ、膀胱内に結石を作る場合があります。結石が出来てしまった場合は、膀胱結石の治療も必要になります。

また膀胱内に腫瘍や、先天的な異常がある場合も膀胱炎を併発することがあり、尿検査結果次第では追加の精密検査が必要な場合もあります。

細菌性膀胱炎の予防法

①常にトイレは清潔に保つ

猫は非常にきれい好きな動物ですのでトイレ環境の変化にも敏感です。

トイレの数が少ない、トイレが汚れている、うるさい場所にトイレが置いてあるなど、トイレを使いたくない要因がある場合はおしっこを我慢するようになり膀胱内に入り込んだ細菌も体内にとどめておくことになるため、膀胱炎を引き起こしやすくなります。

猫がおしっこを我慢しないように、常にトイレを清潔に保つことが予防につながります

②猫が水を飲みやすいように工夫する

猫に水を多く飲ませることも予防に繋がります。

猫は嗅覚が鋭く、汚れた水は好みません。猫は新鮮な水を好むため水はこまめに取り替えてあげることが大切です。

猫がいつでも水を飲めるように部屋のあちこちに水を置くのも効果的な方法ですよ。

②猫の特発性膀胱炎

猫の尿に細菌が確認できず、はっきりとした原因が特定できない膀胱炎を特発性膀胱炎といいます。

特発性膀胱炎の原因

原因が特定できないのがこの特発性膀胱炎の特徴ですが、ストレスが原因となって発症する場合が多いです。

猫にとっては引っ越しや、環境の変化、騒音、猫同士の関係悪化なども大きなストレスになってしまいます。

ストレスにより交感神経が過剰に働き、膀胱を刺激することで、おしっこを出にくくさせてたり、膀胱に炎症が起こり血尿が出ると考えられます。

特発性膀胱炎の症状

血尿、頻尿、排尿姿勢をとるが尿が出ないなどが主な症状です。

膀胱内の細菌感染はないため、細菌性膀胱炎とは異なり濁った尿や臭い尿は出ないのが特徴です。

特発性膀胱炎の治療法

血尿を抑えるために止血剤を投与することがありますが、根本的に治すためには上記のような猫のストレス要因を探り、除去してあげることが最も重要です

ストレス要因をそのまま放置していると膀胱炎の再発に繋がってしまい、再発を繰り返してしまいます。

猫の特発性膀胱炎の予防法

ストレスが原因で膀胱炎にならないために、猫のストレスを軽減させることが大切です。

猫は環境の変化にとても敏感

猫は環境の変化に敏感な動物であるため、自分のテリトリーを乱されたり、知らない場所に行ったり、知らない人と接触するとストレスと感じます。

特に、ストレス性の膀胱炎になりやすい猫の場合は飼い主さんが愛猫の生活環境に細心の注意を払う必要があります。

今一度、「愛猫のトイレ、寝床、水、食事、接し方、同居猫がいる場合の関係性など」を見つめ直してみましょう。改善点がある場合は早期に改善することが再発予防のためにも大切です

まとめ

猫の膀胱炎に関してはこれで以上になります。

繰り返すようですが猫は非常にデリケートな動物であり、ストレスと膀胱炎の関係性は犬や人間よりもはるかに強いことを飼い主さんは知っていなければなりません。

愛猫が膀胱炎にならないためには、常に気持ちよくおしっこができる環境を保つこと。それが猫が膀胱炎にならない為には何よりも大切なことです。

スポンサーリンク
書いた人

著者:サワキ ショウタロウ



動物病院勤務の獣医師(8年目)。神奈川県横浜市出身。飼い主さんがネットに氾濫する誤った情報に騙されない為にサイトを設立。獣医師による正しい知識を提供してます。多忙な毎日ですが、暇を見つけてTwitterやサイトを更新。フォロー・ブックマークしていただけると嬉しいです。

詳しいプロフィールとサイト理念はこちら

トップへ戻る