【獣医師が教える】本当に良い動物病院の見分け方とは?



もしも愛猫が大きな病気になってしまった場合、どの動物病院に行くかで余命が変わることは間違いありません。

「誤診」や「医療ミス」などは論外ですが、最後まで一緒に看取ってくれるような獣医師に出会えることも大切なことだと思います。

ですが、良い動物病院を見分けることは簡単なことではありません。

今回は獣医師目線で「良い・悪い動物病院の見分け方」「良い獣医師の見分け方」を「都合の悪い部分も包み隠さず」話していきますので、参考にしていただければと思います。

良い動物病院の見分け方

「良い動物病院はこうである」という決まった形は残念ながらありません。というのも飼い主さんが動物病院に求めるものによっても、それは変わるからです。

しかし、獣医師として動物病院で働いている側として「動物病院が良質な医療を提供するため」に重要ないくつかの見るべきポイントをここで説明していきたいと思います。

①看護師と獣医師の関係性

動物病院において、もしも獣医師に対して「タメ口や命令口調」で話す看護師さん(特に明らかに獣医師よりも年下の看護師さんの場合)がいるような場合は注意した方が良いでしょう。

私自身も経験がありますが、そのような動物病院では「獣医師からの命令系統が統制されていない」可能性が高いためです。

特に交通事故や呼吸停止など「命に関わるような緊急事態」の場合、獣医師の迅速な指示が最重要です。しかし、看護師さんの方が明らかに立場が上であるような病院では獣医師が指示を出しづらく「命令が迅速に出せない」「命令しても看護師さんが動かない」などの事態が起こり、最悪の場合は医療ミスや命にかかわるようなケースに発展してしまう場合もあります。

またそのような病院では「本来であれば看護師さんがやるべき仕事まで」獣医師がしなければいけない場合が多く、十分に診察に時間を注がなければならない重い病気や判断が難しい病気の症例であっても、飼い主さんに十分な時間を使えていない状態になっている事もあるのです。

飼い主さんからしたら信じられないかもしれませんが、このような動物病院は実際には多くあります。

②動物病院内の清潔度

動物病院における衛生観念は統一されていません。

院長が厳しい病院では徹底的に衛生管理されている場合が多いですが、院長の衛生観念が希薄な場合は正直きれいとは言い難い病院もあります。

飼い主さんが目にする診察室すらも汚れているような動物病院の場合、裏方の衛生管理はいい加減であるのはほぼ間違い無いでしょう。

そのような病院では手術時において、十分に消毒がされていない手術室で手術が行われている可能性があります。

③獣医師の入れ替わり

「獣医師が年単位でどんどん入れ替わる」、「若い獣医師が長いこといない(2年未満で退職する)」ような動物病院は、なんらかの問題を抱えている可能性があります。

例えば獣医師同士の軋轢、給料形態の不鮮明、院長の横暴、ブラック企業顔負けの職務規定・・など、正直挙げたらキリがありません。

未だに古い体質の動物病院は数多くあり、中には訴訟(獣医師が院長を訴える)にまで発展する事例もあるほどです。

問題をかかえる病院では「獣医師が仕事に集中できない」「先輩や院長の圧力で正しい治療を選択できない」などが頻繁に起こり得ます。

また入れ替わりの激しい動物病院では、せっかく信頼できる良い獣医師と出会えた場合であってもすぐに辞めてしまう可能性があります。

④治療費

獣医療は自由診療という制度であり、診察代や手術代、薬代など全てにおいて料金は動物病院が独自で設定します。

多くの動物病院では暗黙の了解で適正価格に設定されていますが、中には通常の治療であっても異常なほど高額に設定している動物病院があります。

そのような病院では院長の方針が「営利最優先」である場合が多く、場合によっては必要のない薬やサプリメントまでも処方している場合もあります。

他の動物病院と比較し普段の治療費がやたら高いような病院の場合、愛猫が大きな病気になり長期入院や手術を行った際の治療費は「相当な高額」を覚悟しなければならないでしょう。

良い獣医師の見分け方

良い動物病院だけでなく、良い獣医師を見つけることも非常に大切なことです。

もちろん良い獣医師というのは飼い主さんによって「合う合わない」など「人それぞれ」だと思いますが、いくつかのポイントを抑えることである程度「良い獣医師であるかどうか」を判断することが可能です。

ここではそのポイントを説明したいと思います。

①飼い主さんの話をしっかり聞く

まずは飼い主さんの話をしっかりと聞くかどうか見ましょう。

「飼い主さんの話を聞かないで獣医師のペースで話をする」「獣医師にしか分からないような専門用語を多用する」などは論外です。

「飼い主さんの目を見て話にしっかり耳を傾ける」、「飼い主さんが分かるように説明する」、そして「飼い主さんが話しやすい空気を作ろうとしている」かどうかを見てみましょう。

②動物の気持ちに配慮した診察をする

獣医師といえど人間ですから、その人間性が診察時にもはっきりと現れます。普段から優しい人間は、やはり猫にもとても優しいです。

猫を診察する前に「猫が怖がらないよう」に話しかけて安心させようとしているか、また診察の際はしっかりと猫の体に触って診察するかどうかを見てみましょう。

猫は一度でも怖い思いをすると生涯覚えているため、獣医師の挙動一つで愛猫に大きなトラウマを与えてしまいます。

こうした当たり前のことを気遣えるかどうかも大きなポイントです。

③検査の必要性や治療内容の説明をする

レントゲン検査や血液検査などを行う場合、検査の必要性や疑われる病気などを事前に説明し、検査の実施の有無を飼い主さんに判断してもらうかどうかを見てみましょう。

事前に何の説明もしないで検査を行う、疑われる病名だけを告げ薬に対する説明などもなく診察を終わらせるような獣医師は自分本位の治療しかできません。

事前に検査の必要性等を説明し了承を得てから行う獣医師や、治療内容などをしっかり分かるように説明するような獣医師は「飼い主さんと一緒に治療していく」という考えの人が多いです。

まとめ

少し長くなりましたが良い動物病院・獣医師の見分け方についてはこれで以上になります。

良い動物病院や獣医師に出会えた場合、愛猫が万が一大きな病気になってしまっても安心して任せることが出来、そして飼い主さんにとっても最良の治療を選択してくれるはずです。

大きな病気になってから探すのでは、気持ちも焦ってしまい十分な時間をかけることが出来ません。結果として信頼できる病院や獣医師を見つけることが出来ないままの飼い主さんも多くいます。

そうならないためにもまずは、病気になる前に愛猫を健康診断に連れて行きましょう。

普段から健康診断などで複数の動物病院に通うことで、良い獣医師に巡り会える可能性は高まります。

今回の記事はかなり動物病院の裏事情を暴露したものになってしまいましたが、飼い主さんにとって少しでも役に立てれば幸いです。

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書いた人

著者:サワキ ショウタロウ



動物病院勤務の獣医師(8年目)。神奈川県横浜市出身。飼い主さんがネットに氾濫する誤った情報に騙されない為にサイトを設立。獣医師による正しい知識を提供してます。多忙な毎日ですが、暇を見つけてTwitterやサイトを更新。フォロー・ブックマークしていただけると嬉しいです。

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