現在、猫のノミダニ予防薬は多くの種類が販売されており、各予防薬に含まれる有効成分も異なるため、どれを選べばいいか分からない飼い主さんが多くいます。
そこで今回は、獣医師の目線からおすすめ出来る猫のノミダニ予防薬を紹介したいと思います。
Contents
猫の予防すべきノミダニについて
まず、予防すべき猫のノミダニについて簡単に説明します。
①ノミ
*画像:猫に寄生するノミ
猫に寄生するノミは自然環境下で至る所に生息しています。
猫がノミに寄生されると、吸血され、アレルギー反応を起こしひどい痒みの原因となります。ノミに刺された場所は腫れ、猫はそこを引っ掻いて出血します。
また、ノミは「瓜実条虫(サナダ虫)」、「猫ひっかき病」や「ペスト」などの人畜共通感染症(ズーノーシス)を運びます。
②マダニ
*画像:猫の血を吸血するマダニ
マダニは、草木の茂る場所に多く生息しています。
マダニは「ヘモバルトネラ」という病気を媒介するため、マダニに寄生された猫は重度の貧血症状を引き起こすことがあります。また、刺された部位が皮膚炎を起こして腫れることも多いです。
また、マダニはライム病(細菌)、野兎病(細菌)、日本紅斑熱(リケッチャ)、Q熱(リケッチャ)、ダニ脳炎(ウイルス)などの病気を媒介します。これらの病気は人に感染する疾病です。
特に近年、マダニが人にSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスを感染させることが注目されています。この病気は人間を死亡させることもある怖い病気です。
③ハジラミ
*野良猫に寄生したハジラミ
猫には「ハジラミ」というシラミが寄生します。ハジラミは猫の毛に寄生して卵を産み増殖します。保護猫(野良)や子猫で多く見られます。
ハジラミは猫に軽い痒みとフケをもたらします。肉眼で白い粒のようなものが沢山毛についている場合はハジラミである可能性が高いです。
猫のノミダニの予防すべき期間は?
上記で挙げたノミダニ、ハジラミは春先から秋にかけて活発に行動し繁殖を行います。
そのため、猫には4月から11月にかけて予防薬を投与すべきだと言えるでしょう。もちろん、12月から3月にかけても予防薬を投与して構いません。
ノミ・ダニ・シラミは冬でも暖かいところには潜んでいますから、一年を通して予防薬を投与するのが一番ベストだと言えます。
猫のノミダニ予防薬おすすめはどれ?
現在、猫のノミダニ予防薬は多くの種類が販売されており、各予防薬に含まれる有効成分も異なるため、どれを選べばいいか分からない飼い主さんが多くいます。
そこで今回は、獣医師が処方している猫のノミダニ予防薬を紹介したいと思います。
【猫のノミダニ予防薬一覧表】
ノミ | マダニ | ハジラミ | フィラリア | 回虫 | ミミヒゼンダニ | 疥癬 | |
☆フロントラインプラス | ◯ | ◯ | ◯ | × | |||
☆マイフリーガードα | ◯ | ◯ | ◯ | ||||
・レボリューション | ◯ | × | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
①フロントラインプラス
フロントラインの成分はフィプロニルとメトプレンです。この二つの有効成分によって、ノミ、マダニ、ハジラミの駆除・予防が出来ます。
普段のノミダニ予防であれば、上記3つが予防できれば十分です。そのため、多くの動物病院で猫のノミダニ予防にはフロントラインが処方されています。
*参照:フロントラインプラス猫用
②マイフリーガードα(最もおすすめ!)
マイフリーガードαはフロントラインプラスのジェネリック版(廉価版)です。有効成分はフロントラインと全く同じでフィプロニルとメトプレンになります。
フロントラインプラスよりも安価で購入可能できるため、私的には猫の飼い主さんに最もおすすめ出来るノミダニ予防薬です。
ジェネリック版ですが、猫における安全性は十分に確認されていますので、安心して使用する事が出来ます。
*参照:マイフリーガードα
③レボリューション6%
レボリューションは有効成分が上記2つとは異なりセラメクチンになります。ネット上ではレボリューションをノミダニ予防薬としておすすめしている記事が散見されますが、ダニは予防できますが、マダニ・ハジラミの予防は出来ないため注意が必要です。
フィラリア予防も同時に出来ることから、犬においてノミ予防薬として使用している人が多いです。また、レボリューションはヒゼンダニ(ミミヒゼンダニ・疥癬)の駆除が出来るため、耳ダニや疥癬の治療薬として使用する動物病院が多くあります。
ですが、一般的なノミダニ予防をしたい人は、レボリューションよりもフロントラインやマイフリーガードを選ぶのが良いでしょう。
また、レボリューションは基本的にネット通販で購入する事が出来ないため、動物病院で処方してもらう必要があります。
*参照:レボリューション6%
まとめ
現在、猫のノミダニ予防薬は多くの種類が販売されており、各予防薬に含まれる有効成分も異なるため、どれを選べばいいか分からない飼い主さんが多くいます。
しかし、予防すべきものは基本的には「ノミとマダニ」です。そのため、通年予防薬としてフロントラインもしくはマイフリーガードを選べば十分だと言えるでしょう。