子猫は大人の猫に比べて心も体も未発達です。そのため、子猫の下痢は大人の猫の下痢とは原因が大きく異なります。
今回の記事では「子猫の下痢」に焦点を絞って原因と治し方について解説しています。
「子猫が下痢をしているけどどうすればいいの?」「子猫の下痢が治らない!」という飼い主さんは、最後まで目を通していただけると幸いです。
子猫の下痢の原因と治し方
①フードの食べ過ぎ
子猫は大人の猫に比べると、まだ体が完全に出来ていません。胃も小さく消化機能もまだまだ未発達です。
そのためフードを食べ過ぎたり水を飲みすぎたりすると消化機能が追いつかずにすぐに下痢をしてしまいます。
治し方
キャットフードの食べ過ぎ(一回でたくさん食べすぎる)が原因だと考えられる場合はフードを小分けにして与えましょう。
1日に与える量を3〜5回に分けて与えると、子猫の小さな胃でも十分に消化できるようになります。
>>子猫のフードの与え方や適切な量はこちらで詳しく解説しています
②寄生虫
子猫でよく見られる寄生虫はコクシジウムと回虫です。
これらの寄生虫に猫が感染すると糞便中に寄生虫が排泄されるため、親猫が感染していた場合に子猫が感染していることがあります。
*猫の糞便から出てきた回虫
症状は主に下痢で、感染が中等度から重度である場合はひどい下痢による脱水症状から子猫が次第に衰弱していき、死亡することも。
また回虫に寄生されている場合は便秘も起こります。栄養が回虫に取られてしまうことで子猫の毛がゴワゴワしたり、痩せたり、お腹が異常に膨れたりします。糞便を観察した時に白い回虫が見られることもあるので観察してみましょう。
治し方
子猫の糞便に白いミミズのような寄生虫がいる場合や、子猫が衰弱している場合はすぐに病院に連れていきましょう。
寄生虫は駆虫薬の投与で完全に駆除することができます。
>>猫のコクシジウムと猫回虫の具体的な治療法は別記事で詳しく解説しています
③感染症
下痢に加えて嘔吐や発熱もある場合は感染症も疑われます。
特に子猫にとってはコロナウイルスによる猫伝染性腹膜炎やパルボウイルスによる猫伝染性腸炎(猫汎白血球減少症)は最も怖い病気で、下痢・嘔吐・発熱が一度に起こり、重度の場合はあっという間に衰弱し命を落としてしまいます。
これらの感染症である可能性は決して高くは無いですが、念のために知っておく必要があります。
治し方
下痢だけでなく、食欲がないグッタリしているなどの症状が伴う場合はすぐに病院に連れていきましょう。
またパルボウイルス感染症に対するワクチンはあるので、あらかじめ予防接種をして防げる病気は予防しておくことが大切です。
>>猫のワクチン接種はこちらで解説しています
④ストレス
猫はストレスに対する耐性がとても弱く、特に子猫ではちょっとした環境の変化でも大きなストレスになってしまいます。
子猫がストレスを感じると、正常な消化機能が阻害されて下痢をしてしまいます。
子猫をペットショップから家に迎え入れたばかりであったりと、子猫にとって大きな環境変化があった場合はストレスによる下痢の可能性が高いでしょう。
治し方
子猫が安心できる環境を作ってあげることが大切です。
また子猫が新しい環境に慣れるまでは過剰に触らないなど、子猫にストレスを与えないように心がけましょう。
まとめ
子猫が下痢した場合は、まず元気な時と比べて何か変わったところはないか、子猫の元気はあるか、子猫の様子と下痢の様子を目で見てよく観察してください。
1回きりの軽い下痢なら、食べ過ぎや、家に来た不安や緊張などにより、お腹を壊しただけかもしれません。
しかし、「激しい下痢(匂いが異常、色が変など)」「少なくとも3回以上にわたり子猫の下痢が続く」場合は何かしらの病気が潜んでいる可能性が高いです。
特に子猫は脱水症状を引き起こしやすく、下痢が止まらなければ危険な場合もあります。
そのような理由から、子猫に異常が見られた場合は出来るだけ早めに動物病院を受診することをおすすめします。
*動物病院では子猫の便検査を行いますので、子猫の下痢便をビニールやラップに包んで持っていきましょう