猫をなでている時や、野良猫が自分に近寄ってきた時に猫が「ゴロゴロ」という音を出していることがありますよね。
この「猫のゴロゴロ音」ですが、一般的には「甘えているサイン」として知られていますが、実は他にも理由があると言われています。
そこで今回は猫がゴロゴロ音を出す理由について解説したいと思います。
Contents
猫がゴロゴロ音を出す理由
①赤ちゃん返り
猫がゴロゴロとのどを鳴らす理由として最も有名なのが、ドイツ人動物学者パウル・ライハウゼンの「赤ちゃん返り説」です。
ライハウゼンは、子猫が母猫の乳房からミルクを吸っているときにゴロゴロという音を出していることに気づきました。そして猫の赤ちゃんがのどを鳴らす理由として「母猫に押しつぶされないようにするため」や「母猫に安心感を伝えるため」と考えられています。
現在、一般的に獣医師の間でも、成長した猫が子猫と同じようにゴロゴロとのどを鳴らすのは、気持ちが子猫に戻り、幸せや安心感を抱いているからだと考えられています。
②要求や期待の表れ
上記の赤ちゃん返りによるゴロゴロとは異なる要求のゴロゴロがあるとも言われています。
この「要求のゴロゴロ」は、猫が飼い主に対して何らかの要望を抱いているときによく発するもので、ゴロゴロ音の中に高周波の声を含んでいるのが特徴です。この高周波を含むゴロゴロ音は、聞いたものに何かしらの緊急性を想起させると言われています。
このことから、哺乳類の養育本能を刺激する謎の「高周波の声」を含んだ「要求のゴロゴロ」があると言われています。人間が「飼い猫の奴隷」になってしまうのは、この声のせいかもしれませんね。
③骨密度の維持
猫のゴロゴロには医学的な意味がある可能性も示唆されています。
猫がのどを鳴らすときの音はほぼ25ヘルツで固定されているそうですが、この周波数は、骨に刺激を与えて新陳代謝を活発化しているのではとも言われています。
つまり、猫のゴロゴロは、骨に含まれる骨芽細胞や破骨細胞を活性化し、骨密度の維持に役立っているのではないかということです。
つまり無意味なときのゴロゴロ音は自分の骨の新陳代謝を高めている可能性があります。
猫のゴロゴロ音の雑学
他にも猫のゴロゴロ音に関する雑学があるので紹介させていただきます。
ゴロゴロ音を出す仕組み
猫のゴロゴロ音は、0.03~0.04秒という非常に短い間隔で収縮と弛緩を繰り返す神経発振器という器官が声門を動かす喉頭筋を動かすことによって声門がすばやく開閉し圧の上昇と下降が急速に起こることで発生しています。
猫は26.3ヘルツという振動数で長時間ゴロゴロを続けることができ、音程は年をとっても変わりません。そのことを利用して、フランスでは、猫のゴロゴロ音を治療やリラクゼーションに取り入れた「猫のゴロゴロ音・セラピー」もあるそうです。
世界一ゴロゴロ音の大きい猫
イギリスのトレーシーさんが飼っている猫のマーリンちゃん(13歳)のゴロゴロ音は67.8デシベルとギネス認定されたそうです。
ここまで大きいと、もはや騒音のレベルのゴロゴロ音ですね。
トレーシーさんがドライヤーで髪を乾かしている時ですらマーリンちゃんのゴロゴロ音がはっきりと聞こえるらしいです。
まとめ
猫がゴロゴロ音を出す理由や雑学はこれで以上になります。
こうしてみるとゴロゴロ音にも意外な意味があることがわかったと思います。猫はその他にも鳴き声や尻尾の動きなどでも感情を豊かに表現しています。
参考:①猫の鳴き声の種類と意味について、②尻尾の動きから読み取る猫の気持ち
この機会にぜひ、猫の感情表現をより深く知ってみてはいかがでしょうか。