猫の口が臭い!原因となる歯周病の治療法と予防法について



この記事では、猫の口臭の原因となる歯周病や歯肉炎について丁寧に解説しています。

歯周病の原因を始め、治療法や予防法までこの記事で全てわかるようになっていますので愛猫の口臭でお悩みの飼い主さんはぜひとも最後まで目を通していただけると幸いです。

猫の口が臭い原因は?

猫の強い口臭の原因の大半は歯周病です。

猫の歯周病とは、歯の表面に蓄積された歯垢や歯石が原因となって細菌が増殖し、歯茎(はぐき)などに炎症が起こった状態です。歯肉に炎症が起きた状態である歯肉炎も歯周病の一つに含まれます。

歯周病は実際の医療現場では猫に最も多くみられる病気の一つです。

猫の歯周病の原因

1番の原因は溜まった歯垢歯石

猫の歯周病の1番の原因は、長年にわたり歯に溜まり続けた歯垢や歯石です。

歯垢や歯石の中では細菌が増殖し、歯茎に炎症を起こします(歯肉炎)。

また細菌の増殖はひどい口臭の原因にもなり「猫の口が臭い」という主訴で来院した猫の多くが歯石の蓄積による歯肉炎になっていることが多いです。

猫の歯周病の病態

少し難しいですが、猫の歯周病の病態を詳しく知りたい人はぜひ読んでください。

①菌膜

歯周病の元になるものは菌膜とよばれるものです。

菌膜は餌を食べた直後から歯の表面に形成される薄い膜のことで、構成成分は唾液に含まれるタンパク質や糖タンパク、および歯肉から出される分泌液などです。

菌膜はやがて細菌のコロニーとなり歯垢の土台となります。

②歯垢

歯垢は菌膜が歯の表面に付着してから約24時間で形成されます。

歯垢(プラーク)とは細菌コロニーに唾液に含まれる成分などが混じってできた、ネバネバした塊です。

舌の運動や飲水では容易に除去できませんが歯ブラシでは除去可能で、この歯垢の段階で歯ブラシを行うことが歯周病や歯肉炎の予防に最も効果的です

>>猫の歯ブラシについての詳細はこちら

③歯石

歯垢が長時間放置されると、石灰化が進み歯石が形成されます。

歯石はプラークと歯肉の溝から放出されるカルシウムやリン酸塩が結合し、石灰化して硬くなったものです。余りにも大きくなった場合は自然に壊れて剥がれ落ちることもありますが、歯石は歯ブラシで除去することは困難です。

歯垢から歯石が形成されるまでには、一般的に2~3日で十分と言われています。一度歯石ができてしまうと、表面はデコボコしているので歯垢が付きやすく、放置された歯石の表面にさらに歯垢が蓄積するという悪循環を招きます。

④歯石の中で細菌が悪さをする

歯石の中では数百種類の細菌が繁殖し、毒素を放出するような細菌も増殖していきます。

この毒素による攻撃と毒素を排除しようとする猫の免疫細胞の攻撃の両方が、歯肉組織を刺激し、徐々に炎症(歯肉炎)が進行していくのです。

猫の歯周病の症状

初期症状:歯茎の赤み(炎症)

歯周病の初期段階は歯の根元の歯茎の赤みです。この状態を一般的に歯肉炎と呼びます

進行し重症化した場合

初期段階の歯肉炎を放置しているとやがて重症化していきます。

重症化すると、歯茎からの出血、腐敗臭を伴うキツイ口臭、歯のぐらつき、歯肉の腐敗による退行(歯が伸びたように見える)などの症状が出てきます。

ここまで進行してしまうと猫は痛みや歯のぐらつきで、正常に餌を食べることが出来なくなります。さらには歯の根元から鼻の方まで細菌が侵入してしまい、副鼻腔炎を併発するようなケースもあります。

猫の歯周病の治療法

猫の歯石の蓄積が原因の場合、抗生剤などの投与では一時的に良くなったように見えてもすぐに再発してしまう場合がほとんどです。

それゆえ、根治のための治療は歯石の除去が基本になります。

歯石の除去

猫の歯石を除去するためには動物病院にて全身麻酔を行い、完全に眠らせた状態で獣医師がスケーリング(スケーラーと呼ばれる医療器具による歯石除去)を行います

以下の動画のように歯の表面の石灰化した歯石を徹底的に除去します。

*歯のスケーリング参考動画。歯石はこのように落としていきます

歯石除去後、歯石の土台を完全に取り去るために研磨(ポリッシング)を行ったり、歯石の再付着を遅らせるためコーティングなどを行います。

完全に歯石を除去し口内環境の清浄化が完了することで歯肉炎は治ります。

口内環境の清浄化が完了すると飼い主さんが悩まされていたキツイ口臭も綺麗さっぱり無くなります。

猫の歯周病の予防法について

日々の歯磨き

猫の歯磨きをしない飼い主さんは多いです。

しかし、猫の歯周病の一番効果的な予防方法は日常的に猫に歯磨きを行うことです。

歯磨きを行うことによって歯垢の定着を防ぐことができ、細菌の増殖場となる歯石の形成を防ぐことができます。

猫の歯みがきに関しては別記事で詳しく説明しています

ドライフードへの変更

やわらかくて歯の間に残りやすいウェットフードばかり猫に与えている場合、少し固いドライフードに切り替えることも、猫の歯周病の予防には効果的です。

ドライフードへ切り替えることで咀嚼回数を増やします。咀嚼回数が増えれば唾液の量が増え、歯の表面に付着した菌膜を洗い流す効果が高まります。

病院に来院する歯周病の猫の多くがウェットフードを好むタイプの猫であるため、早期にドライフードを与えることは生涯ウェットフードを食べるよりも歯周病になりにくいと言えるでしょう

まとめ

猫の口が臭い原因と、歯周病の治療法や効果的な予防方法は以上です。

早期に予防対策を行うことで歯周病の予防はもちろん、猫の歯の寿命を延ばすことも可能です。

歯磨きをしたことが無い飼い主さんも、この機会に愛猫に歯磨きをトライしてみてはいかがでしょうか?

書いた人

著者:サワキ ショウタロウ



動物病院勤務の獣医師(8年目)。神奈川県横浜市出身。飼い主さんがネットに氾濫する誤った情報に騙されないようにする為にサイトを設立。獣医師による正しい猫の知識を提供していきます。多忙な毎日の中、暇を見つけてはTwitterやサイトを更新中。フォロー大歓迎。

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