【獣医師監修】”手術の必要性も!?” 猫の膀胱結石の原因や食事療法について



この記事では猫の膀胱結石の原因や治療法、予防のための食事療法について解説しています。

「愛猫の尿検査をして結石があると言われた」「結石が出来ないようなキャットフードを与えたい!」という飼い主さんは、ぜひとも最後まで読んでいただけると幸いです。

猫の膀胱結石とは

猫はキャットフードの成分や慢性的な膀胱炎が原因となって膀胱内に結石ができます。

*写真は膀胱内にできたストルバイト結石。猫で形成される結石には主に、ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム)シュウ酸カルシウム結石がある。

膀胱に結石が出来ている場合でも多くの場合で自覚症状はありません。

膀胱結石は細菌性膀胱炎の場合に出来やすく、血尿や尿の濁り・尿の臭いなどが原因で動物病院に来院し、尿検査やレントゲン検査などで発覚する場合が多いです。

*体内に結石が出来ている場合のレントゲン画像

また、膀胱内にできた結石が膀胱を出て尿道に詰まってしまった場合(尿路閉塞)、尿が出なくなり救急処置が必要になる場合もあります

猫の膀胱結石の原因と治療法

猫の膀胱に結石が出来る原因は、主に以下の二つがあります。

①慢性的な細菌性膀胱炎

慢性的な細菌性膀胱炎にかかっている場合は結石が出来やすくなります。

膀胱内では、炎症によって剥がれ落ちた上皮細胞が核となり真珠が大きくなるように結石が成長します。

ヒトの膀胱結石の多くはシュウ酸カルシウム水和物ですが、犬や猫の場合はストルバイト結石で構成されることが多いです。

治療法

この場合は抗生剤の投与により細菌性膀胱炎を治療することが第一優先になります。

*参考:猫の膀胱炎の原因・症状や治療法

②食事が原因

普段猫が食べているキャットフードの成分が原因となり、尿がアルカリ性や酸性に偏ることが原因で結石が生じやすくなります。

PHがアルカリ性に傾いた尿ではストルバイト・リン酸カルシウム結石が、酸性に傾いた尿ではシュウ酸カルシウム、尿酸塩、シスチン、キサンチン結石のリスクが高まります。

シュウ酸カルシウムは一度形成されると溶解することはありませんが、ストルバイト結石であれば尿phが変わることで溶かすことが可能です。

治療法

食事が原因で結石が出来ている場合は、キャットフードを変更します。

キャットフードの変更により尿のPHが正常値に戻ることで結石が大きくなるのを防ぎ、同時に結石の溶解を促します。

キャットフードの選び方は以下の食事療法の項目で詳しく解説しています。

猫の膀胱結石で手術が必要な場合

上記の①・②のいずれの場合も、結石が巨大化し自然溶解が見込めない場合は外科手術により結石を除去する必要があります。

手術の方法は全身麻酔後、膀胱切開により結石を全て摘出します。

手術費用は病院や症例によっても変わりますが、10万円前後の場合が多いでしょう。

猫の膀胱結石の食事療法と予防法

PHコントロール療法食への変更

膀胱結石がまだ小さい場合は食事の変更による尿のPHをコントロールすることで溶解させることが可能です。

また尿検査で尿のPHに異常が見られる場合や尿中に結晶成分(結石の元)が見られた場合、結石が出来ていなくても早めにキャットフードの切り替えを行い、尿のPHを是正することが結石の予防に効果的です。

マグネシウム・リン・phのコントロール

結石の溶解と形成の予防のためにはマグネシウムとリンの含有量を制限↓しながら、尿のphをコントロールする療法食に変更する必要があります。

膀胱結石の療法食はヒルズとロヤルカナンが代表的です。

ヒルズとロイヤルカナンは共に数種類の療法食が発売されており、それぞれで用途が異なります。ここではヒルズの療法食を比較解説します。

【ヒルズの療法食比較】

s/d c/d c/d(ライト) c/d(コンフォート)
対象結石 ストルバイト

ストルバイト

シュウ酸カルシウム

用途 治療(溶解) 治療(溶解)と結石の予防
溶解効果
その他 結石の溶解が目的 肥満猫向け ストレスに弱い子向け

*s/dはストルバイト結石が出来ており、溶解のための治療向け。食いつきはあまり良いとは言えません。もしもs/dを全く食べない場合はc/d(コンフォ)を試すのがベターです。

また予防のためと結石溶解後の維持のためにはc/dを与えるのが良いでしょう。猫の食いつき(味)に関してはc/dの方が良いです。

定期的な尿検査が予防には大事!

定期的に尿検査を行うことは、膀胱結石の早期発見につながるためにとても大切です。

尿検査では尿内に結石の元になる結晶成分が含まれていないか尿のPHは正常値かなどの項目を検査し、結石にまで成長する前に発見し早期治療を行うことができるからです

普段はまったく動物病院に連れていかない場合でも、定期的に尿検査だけでもするように心がけることで、膀胱結石は確実に予防できる病気なのです。

まとめ

猫の膀胱結石に関してはこれで以上になります。

猫の場合、膀胱結石は飼い主さんの心がけ次第で予防することが可能です。特に結石が出来やすい体質の猫の場合は早期の療法食への切り替えが大切です。

膀胱結石が食事療法だけでは溶解できない場合、手術をしなければなりません。手術は愛猫への精神的・肉体的負担も飼い主さんの負担もとても大きくなってしまいます。

愛猫の健康のためにも定期的な尿検査や必要に応じてキャットフードの変更などを行い、予防できるものは確実に予防するように心がけることが大切です。

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書いた人

著者:サワキ ショウタロウ



動物病院勤務の獣医師(8年目)。神奈川県横浜市出身。飼い主さんがネットに氾濫する誤った情報に騙されない為にサイトを設立。獣医師による正しい知識を提供してます。多忙な毎日ですが、暇を見つけてTwitterやサイトを更新。フォロー・ブックマークしていただけると嬉しいです。

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